おひとりさまにとって、終活で大きな課題となるのは「財産を誰にどのように継承するか(財産継承の不安)」「死後の葬儀・供養・家財処分を誰に任せるか(死後事務の不安)」の2つだといえるでしょう。

 

この2つは法的な対応方法が異なるため、

  • 遺言書財産継承先を指定
  • 死後事務委任契約 死後の手続きを依頼

と、セットで準備する必要があります。

 

ここでは、おひとりさまが終活で検討すべき「遺言書と死後事務委任契約の併用」について説明していきます

 

財産継承のために遺言書を用意する

遺言書は、遺言者の死後、その財産を相続人に継承させるために必要な文書です。おひとりさまでも遺言書を作成しておくメリットや遺言書でできることについて説明していきます。

 

おひとりさまに遺言書が必要な理由

身寄りのないおひとりさまの場合、遺産を法定相続人に相続させることができないため、遺産は最終的に国庫に帰属することになります。遺言書を作成しておけば、相続人がいなくても友人やお世話になった団体、慈善活動などに遺贈することもできるので、積極的に作成を検討するといいでしょう。

 

遺言書でできること

遺言書を作成しておけば、次のことが可能になります。

 

財産の受取人(受遺者)を指定できる

現金・預貯金・不動産・貴金属など、遺言者の財産を特定の人や団体に確実に渡すことができます。

 

寄付先や団体への遺贈指示ができる

社会貢献としての寄付、またはお世話になった組織への寄付を指示することができます。

 

お墓・仏壇など祭祀財産の承継者を指定できる

お墓や仏壇の管理をしてくれる人を指名できます。

 

遺言執行者を指定できる

死後、遺言内容を実行する責任者として、遺言執行者を指定することができます。

 

公正証書遺言を作成すべき理由

おひとりさまにとって公正証書遺言、自分の財産承継を確実に実現するための最も安全で確実な方法です。

 

公正証書遺言は公証人が作成し公証役場で原本を保管するため、紛失や改ざん、方式不備の心配がなく、法的効力が強い点が特徴です。加えて、遺言執行者の指定も可能で、死後の手続きをスムーズに進められます。

 

このような理由から、おひとりさまが「死後の財産継承について自分の意思を実現してもらう」ためには、公正証書遺言の作成が不可欠だといえます。

 

遺言執行者を指定すべき理由

おひとりさまは、自分の死後に遺言内容を確実かつ迅速に実行してもらうため、遺言執行者を指定しておいた方がいいでしょう。

 

遺言執行者は、財産の名義変更や預貯金の払い戻し、遺贈の手続きなど、遺言に基づく一連の事務を行う法的権限を持ちます

 

しかし、おひとりさまの場合、遺言執行者を任せられるような頼れる親族がいないことも多いため、専門知識を持つ行政書士などを遺言執行者に指定するケースも少なくありません。

 

葬儀などに備えて死後事務委任契約を締結しておく

遺言書でカバーできるのは遺言者の死後の遺産分割に関することのみです。おひとりさまの葬儀や死後の諸手続きまで対応するには、死後事務委任契約の締結が必要になってくるでしょう。

 

死後事務委任契約とは

死後事務委任契約とは、本人の死後に必要な事務手続きを、信頼できる第三者(行政書士などの専門家・NPO法人・保証団体など)に委任する契約です。遺言書では対応できない「非財産的な事務」をカバーします。

 

死後事務委任契約で委任できる主な内容

死後事務委任契約を締結しておくことにより、葬儀をはじめとする自分の死後のさまざまな手続きを受任者に任せることができます。

 

葬儀・火葬・納骨の手配

葬儀社の選定、火葬場や式場の予約、宗教儀礼の有無などを事前に決めておき、死後は受任者が決定事項を実行していきます。

 

遺品整理・家財処分

済んでいた部屋の退去清掃や不用品の処分、形見分けなどを、整理業者と連携して実施します。

 

賃貸住宅の解約・公共料金の精算

家主への連絡や契約終了手続き、電気・水道・ガスの解約などを代行します。

 

行政・金融機関への届出

役所への死亡届や、年金・保険・銀行口座解約などの煩雑な手続きを処理します。

 

ペットの引き取りや譲渡先手配

ペットが残されても安心できるよう、新しい飼い主探しや施設入所を手配します。ただし、ペットは生き物ですので、里親がスムーズに見つかるよう、死後事務委任契約締結時に委任者が具体的な指示を記しておくことが必要です。

 

遺言書と死後事務委任契約はセットで準備を

先に述べたとおり、遺言書があれば遺言者の財産継承先を指定することができ、死後事務委任契約を締結しておけば委任者の葬儀・供養・家財処分など実務面を実行することができます

 

遺言書と死後事務委任契約はいずれも特定の役割を持っているため、どちらか一方だけではカバーできない部分が出てくることも理解しておきましょう。遺言書と死後事務委任契約の2つをセットで準備することで、財産と実務の両面をカバーすることができます

 

遺言書と死後事務委任契約書作成の流れ(例)

遺言書と死後事務委任契約書をどういう順序で作成するか、流れを追っていきましょう。

 

1.財産・希望・交友関係を整理する

エンディングノートなどで一覧化し、財産内容と希望を可視化します。

 

2.公正証書遺言を作成する

受遺者や遺言執行者を指定して法的に有効な形にします。

 

3.死後事務委任契約を締結する

受任者を指定し、委任範囲、葬儀内容、費用、預託方法を詳細に決定します。

 

4.葬儀費用を預託する

信託口座などを利用して必要なお金を安全に管理し、実行時の資金不足を防ぎます。

 

5.遺言書・死後事務委任契約を定期的に見直す

財産や交友関係の変化に合わせて内容を最新のものに更新していくことも大切です。

 

まとめ

おひとりさまの終活は、遺言書で財産承継の希望を叶え、死後事務委任契約で葬儀や整理を確実に実行することがカギです。両方を準備すれば、財産と死後事務の両面で「自分らしい最期」を実現でき、将来の不安も大きく軽減されるでしょう。

 

弊社では、初回無料相談を実施しておりますので、おひとりさまのための遺言書作成や死後事務委任契約についてご不安な場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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