高齢化に伴い増加しているのが「身寄りのない高齢者」です。亡くなった後どこに納骨してもらうか、どうすれば交友のあった人たちに偲んでもらえる環境を作れるのか、悩んでいる人もいることでしょう。ここでは、昨今注目を集めているデジタル墓地について説明していきます

 

デジタル墓地の種類

身寄りのない人が生前に何も準備しないまま亡くなってしまった場合、行政により火葬されたのち一定期間の保管を経て、自治体が管理する霊園などの合同墓に納骨されることが多いようです。

 

しかし、身寄りがない高齢者であっても尊厳ある人間ですから、できればきちんと葬儀を行ったうえで然るべき場所に納骨されたいと考えるものです。また、死後も自分のことを思い出してもらいたいと思うのも自然なことだといえます

 

そこで注目を集め始めているのが「デジタル墓地」という供養環境です。誰でも気軽に「インターネット上のお墓」にアクセスして故人を偲ぶことができるからです。

 

バーチャル墓地とQRコード墓地

インターネット上に自分の墓を持つことで、アクセスする人は自由に参拝することができます。通常の墓のように維持管理の必要がないため、誰かに手間をかけることもありません。

 

バーチャル墓地

納骨堂や永代供養墓を購入したのち、バーチャル墓地に申込んでおくことで、インターネット上に「自分の墓」を持つことができます。これにより、交友のあった人などがパソコンやスマートフォンを通して気軽に参拝することができます。

 

QRコード墓地

疎遠ながら親類が墓地に納骨してくれる状況であれば、自分のメモリアルデータにアクセスできるQRコードを配置しておく方法も採ることができそうです。これにより、参拝者は気軽に自分の写真や動画を閲覧することができ、思い出を身近に感じながら手を合わせてくれることでしょう。

 

デジタル墓地の利用には実際の納骨が必要

参拝のしやすさや故人を偲ぶ環境作りの一環として、デジタル墓地という手段が注目を集めていますが、バーチャル墓地にしてもQRコード墓地にしても「実際に納骨されていること」が前提となる点に注意しましょう。遺骨は法に定められた場所にしか納骨できませんので、永代供養を受けられる納骨堂などを購入し、そのうえでデジタル墓地を併用するのが上手な使い方だといえます。

 

墓または納骨堂の購入、死後の葬儀・納骨、デジタル墓地の準備など、死後に行うべきことはたくさんあります。身寄りがない人は頼れる存在がいないということもありますので、できるだけ生前に準備を進め、死後事務委任契約の受任者や身元保証サービスの受任者に後を任せることも検討してみましょう

 

身寄りがない人が行うべき生前準備

デジタル墓地の利用を検討している場合でも、先だって以下のことについて決定し準備を進めておく必要があります。

  • 墓もしくは納骨堂の購入について
  • 死後の葬儀や納骨について
  • デジタル墓地の環境整備について

 

また、相続や遺品整理などについても備えておかなければなりません。

 

これら「死後のことに備えるための手段」として、死後事務委任契約身元保証サービスを挙げることができます。

 

死後事務委任契約

葬儀や納骨、遺品整理、さまざまなサービスの解約など、死後に発生する諸手続きを受任者に任せる「死後事務委任契約を利用する方法があります。ただし、あくまでも「死後に発生する事柄」に対してのみ有効な契約ですので、独り身での老後生活に不安があるようであれば、身元保証サービスを利用した方がいいでしょう

  • 遺体の引き取り
  • 葬儀や納骨などの執り行い
  • 親族や友人・知人への連絡
  • 家賃や入院費、施設利用料など諸費用の清算
  • 行政手続き
  • 遺品整理・家財道具処分 など

 

身元保証サービス

老後の身元保証から死後の各種手配・手続きにいたるまで、一貫したサポートを受けられるのが身元保証サービスの特徴です。サービス提供団体・事業者により詳細なサービス内容が変わる可能性はありますが、おおむね以下の事柄について支援を受けることができます。

  • 入院時・施設入居時の身元保証
  • 入院・施設入居の手続支援
  • 生活支援代行
  • 任意後見
  • 医療介護などに関する意思表示
  • 遺言書の執行
  • 死後事務委任

 

安心して老後を過ごすことができますので、頼れる人がおらず不安を抱えている場合は一度相談してみるといいでしょう。身元保証サービスの一環として死後事務委任契約も締結しますので、葬儀社や納骨堂を選ぶときも1人で抱え込まずに済みそうです。

 

まとめ

自らの墓地を用意したり「デジタル墓地」のような供養環境を整えたりすることは、まだ元気なうちだからこそできることです。身寄りのない人であればこそ、自分の死後について考え、葬儀や納骨などを行ってくれる人のために明確な方針を残しておくことをお勧めします

 

死後事務委任契約や身元保証サービスなどについても、積極的に検討するといいでしょう。自分1人で準備を行うことに不安を感じる場合は、身元保証サービスを提供する「いきいきライフ協会札幌」の法律支援を行っている当行政書士事務所にご相談ください

 

 

札幌 身元保証電話相談