終活を行ううえで直面するのが老後の住まいについてです。高齢者施設への入居を検討している場合は、元気なうちから情報を集め老後計画を立てておくといいかもしれません。ここでは、終活中に知っておきたい有料老人ホームについてわかりやすく説明していきます。
有料老人ホーム3つの種類
有料老人ホームには、高齢者にとってより暮らしやすい環境が整えられています。施設内がバリアフリーであることはもちろん、ホームの種類により異なりますが身の回りの介助サービスがある点も安心です。
有料老人ホームは大きく3種類に分けることができ、それぞれ介護型・住宅型・健康型としての特徴を備えています。
介護型の有料老人ホーム
介護型の有料老人ホームは、以下の通りさらに2種類に分けることができます。
- 介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)
- 介護付有料老人ホーム(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護)
「一般型」の介護付有料老人ホームは、一定基準を満たすことで都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。原則として個室が用意され、入浴・排泄・食事などの介護サービスを受けることができます。
「外部サービス利用型」の介護付有料老人ホームでも「一般型」とほぼ同じサービスを受けることができますが、介護については外部に委託した介護サービス事業者が担います。
住宅型の有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは都道府県などへの届出が必要な施設です。設備基準に関する法令上の規定はありませんが、居室や浴室、便所などの生活環境について一定の指導指針が存在します。
施設による介護サービスは提供されていませんので、ある程度自立した生活が可能な人などが入居対象になります。入居中に介護が必要になった場合は、地域の介護サービスを利用しながら施設に住み続けることが可能です。
健康型の有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは自立した生活を送ることができる高齢者を入居対象としています。家事や食事などのサービスは提供されますが、介護が必要になった場合は退去しなければならない点に注意しましょう。
有料老人ホームのメリットとデメリット
3種類ある有料老人ホームから適切な施設を選択するために、各ホームのメリットとデメリットについて理解しておきましょう。各人の状態によりメリットになること・デメリットになることは変わってきますので、事前に施設に関する情報収集を十分行っておくことが大切です。
介護型有料老人ホームのメリットとデメリット
【メリット】
- 自分の状態に合わせて、自立型・介護専用型・混合型の3種類から選ぶことができる
- 24時間の介護サービスを受けることができる
※「自立型」入居時に自立生活ができる人が入居可
※「介護専用型」要介護1以上で入居可
※「混合型」要介護認定を受けていなくても入居可
【デメリット】
- 自立した生活を送ることができる場合、不要な介護サービス費用がかかる
- 外部の介護サービスを利用することができない
住宅型有料老人ホームのメリットとデメリット
【メリット】
- 自立した生活が可能な人から軽度の要介護者まで入居可能な条件が比較的広い
- 介護が必要になっても住み続けることができる
【デメリット】
- 要介護の状態が重度になると施設側が対応できなくなる可能性がある
健康型有料老人ホームのメリットとデメリット
【メリット】
ひとり暮らしで孤独な思いをせずに済む
不測の事態が起きたときでも施設スタッフがいるため安心である
【デメリット】
- 介護が必要になった場合は退去を求められる可能性がある
- 他の有料老人ホームに比べると健康型有料老人ホームは絶対数が少ない
まとめ
終活を行ううえで、将来的に有料老人ホームを利用すべきか考える機会が出てくるでしょう。今は自立した生活を送ることができるが、いつ介護が必要な状況になるかわからないため、将来設計として有料老人ホーム選びに迷う人も少なくないのです。できれば施設を見学したり相談窓口を利用したりして、自分にとって適切な選択ができるよう行動することが大切です。
また、有料老人ホームの利用を検討する場合、同時に考えておかなければならないのが「身元保証人をどうするか」ということです。通常、有料老人ホーム入居契約の条件として、万が一のときの緊急連絡先や利用者死亡の際の遺体引取、遅滞のない支払いなど、責任を持ってサポートする身元保証人が求められるからです。
家族など身元保証人になってくれる人がいる場合はいいですが、独り身で頼れる人がいない場合などは、身元保証サービスの利用についても合わせて考えておくといいでしょう。
当行政書士事務所は、身元保証サービスを提供する「いきいきライフ協会札幌」の法律支援を行っておりますので、身元保証人について不安を感じたときは、ぜひお気軽に無料相談をご利用ください。
