ひとり暮らしの高齢者が認知症になったときに備えて、元気なうちから対策を講じておくことがとても大切です。ここでは、認知症に必要な支援と相談先について説明していきます

 

認知症になったときに必要な支援

認知症の主症状として、物事を記憶する力や判断力(認知機能)の低下を挙げることができます。ひとり暮らしの高齢者が認知症になってしまった場合、自力での生活が難しくなることが考えられるため、どのような問題点が発生するか事前に理解しておく必要があるでしょう。

 

認知症を原因とする問題点

認知症になり判断能力が著しく低下した場合、以下に挙げるような問題に直面する可能性があります。それぞれの問題点を理解したうえで、元気なうちから対策を講じておくことが大切です。

 

徘徊

自宅から外出したものの帰り道がわからず、警察などに保護されるケースも多いといわれています。また、氏名や住所まで思い出せない場合は、医療機関などに「身元不明者」として保護されることもあります。

 

孤独死

高齢になるにしたがって人間関係が希薄になる傾向がありますが、認知症になったことでさらに社会から孤立し、自宅でひとり亡くなってしまうケースも少なくありません。

 

消費者トラブル

認知症になると悪質な商法の罠にかかってしまうリスクも高くなります。健康食品やふとん、自宅リフォームなどの悪質な訪問販売・通信販売に関する消費者トラブルも増えていますが、トラブルに巻き込まれていることに気付かないケースも存在します。

 

財産管理・契約手続き

これまでは自分で行うことができた財産管理・各種契約手続きも、認知症になるとだんだんできなくなると想定しておいた方がいいでしょう。そのような事態に備えて、後見人制度を利用するなどの対策が必要です。

 

問題への対策

これらの問題を防ぎ本人を守るためには、本人が元気なうちに、特に財産管理と身上監護について環境を整えておく必要があります

 

財産管理

本人の財産を正しく管理・利用するための環境作りが必要です。代表的な方法として成年後見制度身元保証サービスの利用が挙げられますが、これらの仕組みを利用することにより、認知症になっても消費者トラブルに巻き込まれず、財産を保全し、医療費や施設利用料などを含む生活全般の支払いを正しく行うことができるでしょう。

 

身上監護

医療サービスや介護サービスなどの契約、入院や施設入居の手続き、各種料金の支払いなど、本人の生活を守るための法律行為を大きくまとめて身上監護といいます。安心・安全な生活環境を維持するためには、財産管理と同様に成年後見制度や身元保証サービスの利用を検討するといいでしょう

 

認知症に関する札幌市の相談先

札幌市では、認知症の人に対する支援体制作りに力を入れており、相談先も複数用意されています。自分自身や家族などに認知症の疑いを感じたときなどは、迷わず以下の連絡先に相談してみることをお勧めします。

 

札幌市認知症コールセンター

自分自身や家族、関係者に認知症の不安を感じたときは、札幌市の認知症コールセンターに相談してみましょう。相談内容によっては、適切と思われる医療・介護・福祉機関などを紹介してもらうことも可能です。

 

【連絡先】

電話番号:011-206-7837

受付曜日:月曜日~金曜日(祝日、年末年始を除く)

受付時間:10時~15

 

地域包括支援センター・介護予防センター

高齢者が住み慣れた地で自立した生活を送ることができるように、札幌市では社会福祉法人などに必要な業務を委託しています。

 

【地域包括支援センター】

介護や福祉などに関する相談を受け付けており、必要なサービスを調整します。また、要支援12の人などが自分らしい生活を送ることができるようサービス計画の作成を行ったり、消費者トラブルや高齢者虐待などについて相談したりすることもできます。相談に対応するのは、地域の主任ケアマネジャーや社会福祉士、保健師などの専門職員です

 

【介護予防センター】

介護予防教室の開催・介護予防活動支援などを行います。高齢者の身近な相談窓口としても機能しており、地域包括支援センターを補完する役割を担っています。相談に対応するのは、保健福祉職の有資格者です

 

札幌市内各区役所

区役所の保健福祉課では、要介護認定や介護関連サービス利用などに関する問い合わせを受け付けています。

 

【民間】身元保証相談士への相談もお勧め

元気なうちから認知症になったときの生活に備えておきたい場合は、身元保証相談士協会による認定資格を持った専門家に相談することも検討してみましょう。民間資格ではありますが、以下のような幅広い業務に関する相談に応じてくれます。

 

  • 入院や施設入居時の身元保証人に関する相談
  • 生活支援に関する相談
  • 財産管理に関する相談
  • 死後の葬送支援に関する相談
  • 各種行政手続きに関する相談 など

 

身元保証相談士は、その業務に不可欠な知識と能力を備えていなければ資格を取得することができません。そのため、安心できる身元保証相談士を選びたい場合は、資格を有した行政書士などの法律家を探してみることをお勧めします

 

まとめ

 

当事務所の行政書士は、身元保証相談士1級を保有しており、身元保証サービスを提供する「いきいきライフ協会札幌」の法律支援を行っています。無料相談もご用意しておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 

 

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