身元保証と連帯保証の違い
身元保証と連帯保証は近い概念ではありますが、役割に違いがあります。連帯保証は契約により、本人の契約上の一切の義務に責任を持ちますが、身元保証に関しては、本人の契約上の一切の義務に責任をもつほか、事実上の行為にも責任がつきまといます。例えば、病院や施設から緊急の呼びだしを受けた際に、病院や施設側に様々な行為をするよう求められた際にそれに応える義務もあると言えます。医療行為の同意も求められることもあるでしょう。
入院されたことのある方はご存知だと思いますが、入院時には保証人を求められます。また、高齢者施設に入所される際にも保証人を求められます。その保証人には「同居家族は保証人になれない」と定めている病院や施設もあるため、別居家族(生計を別にしている家族)を保証人にするよう求められこともあります。また、高齢の親族は保証人を断られるケースもよくあります。
では何故、保証人を求める際に同居家族や生計を一緒にしている家族は断られるのか。その理由の一つは、治療費や施設利用費の未払いを防ぎたいということです。年金収入の高齢親族には支払いを保証してもらえる可能性が低いことや、入院や入所が長引くことで、保証人になった高齢家族が存命している可能性も高いとは言えません。
このようにして、保証人になってもらえる方がいなく、困って、親族以外の者と身元保証契約を結ぶという方が増え、そのような背景をもとに「身元保証」という言葉をよく聞くようになったと思われます。
・子供がいなく高齢の配偶者しかいない
・子供や孫たちに迷惑をかけたくない
・子供がいるが疎遠になっている
・親族が遠方にいて頼れない
という事情をお持ちの方が多くなっています。
このように身元保証人を立てられない方のために、当社では身元保証人の引受サービスを提供しております。身元保証のサービスは以下のようなものになります。
身元保証人ができるサービスの内容
1 連帯保証人としての役割
病院や施設が求めている連帯保証人になることです。ご本人様が治療費や利用料の支払いをできない場合に代わって、身元保証人がその支払いの全額を保証するというものです。
2 入院、入所時の身の回りのご支援
必要な生活物品の用意や退院・退去時の居室の明け渡しにかかる作業などです。家族が通常お手伝いすることを身元保証人が代わりに行います。
3 金銭や財産の管理
入院や入所している際に、ご自分の財産を管理するのはとても大変なことです。直接的なことでは、病院や施設の売店でおやつを買う事にも苦労するでしょう。また、認知症になって判断能力が低下し、ご自分の預貯金を適切に使うことができなくなった時などに金銭管理をお願いすることもできます。
4 お亡くなりになった時
ご希望に応じて、身柄の引き取り、葬儀の手配、死後にかかる事務や相続手続き、家財道具の処分などを行います。
連帯保証人は病院代・施設費などのお支払いの保証をする。後見人は本人の判断能力が低下した際に、本人の代わりに必要な判断をしたりします。しかし、連帯保証人も後見人も上記1~4の内容を全て出来るわけではありません。必要に応じて、連帯保証人・後見人のほか、身元保証人の役割を考えたうえで、身元保証人のサービスをご利用いただくとよいと思います。