自分に万が一のことがあったとき、家族を始めとする関係者がスムーズに行動できるよう、終活の一環としてエンディングノートを作成する人が増えています。ここでは、エンディングノートの作り方について説明していきます

 

エンディングノートに記載する内容

エンディングノートには、自分の老後の生活で支援して欲しいことや死後の葬儀の在り方などについて記載することが一般的です。ここでは、特に重要な記載内容を挙げてみます。

 

自分自身について書いておく

自分の氏名・住所・連絡先に始まり、本籍地や略歴などを記しておくと、自分の死後の手続きや葬儀において大変役立ちます。また、好きな食べ物や趣味、思い出などについて書き添えておくのもいいでしょう。

 

遺言書について書いておく

家族を亡くしたあとの遺族は、葬儀の手配や各種事務手続きに追われてしまいます。もし自分が遺言書を作成していたとしても、遺族がその事実を知らないままだった場合、遺言書が発見されずに各種手続きが進められてしまうことも考えられます。

 

特に相続手続きにおいては、遺言書の内容が優先される点に注意が必要です。遺言書の存在に気づかないまま遺族が遺産分割協議を行い、あとから遺言書が見つかった場合、原則としてもう一度遺産分割をやり直さなければならなくなるからです。

 

このような事態を回避するためにも、エンディングノートには「遺言書の有無」「遺言書をどこに保管してあるか」を記載しておくことが大切です。

 

葬儀について書いておく

自分が亡くなったあと、どのように葬儀を執り行って欲しいか、希望を書き記しておくことをお勧めします。家族を亡くした直後、遺族は混乱しがちであるため、その負担を軽減するためにも次のようなことを記載しておくといいでしょう。

 

  • 葬儀社について
  • 宗派あるいは葬儀の形式について
  • 納骨先について
  • 喪主について
  • 訃報の連絡先(友人・知人など)について など

 

エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートは、自分の老後や死後に備えて、自分に関わるさまざまな事柄を書き記しておくものです。書き方や記載内容に決まりはなく、自分自身が重要であると思ったことを自由に記入してノートを作成していきます。もしもの事態を想定し、家族や関係者を混乱させないようにするための1つの方法なのです。

 

エンディングノートではなく、法的拘束力を備えた遺言書を遺しておくことも選択肢として挙がってくるでしょう。ここでは、エンディングノートと遺言書の違いについて整理していきます。

 

遺言書との違い

万が一を想定した対策として遺言書の作成を挙げることができますが、遺言書はエンディングノートとどう違っているのでしょうか。

 

遺言書は法的効力を持つ

遺言書は相続に関する遺言者の意思表示手段であり、法的拘束力を備えています。個人的に自由に作成するエンディングノートとの一番の違いは、ここにあるといっていいでしょう。したがって、エンディングノートを作成していたとしても、遺産相続に関して希望がある場合は別途遺言書を遺しておく必要があります。

 

遺言書の書き方は法に定められている

遺言書は、法律に定められた要件を満たすように作成しなければなりません。特に、自分で作成する自筆証書遺言の場合は、作成の仕方を間違えると法的効力を失うことになってしまうので、十分な注意が必要です。一方、エンディングノートには法的な縛りがありませんので、自由に作成することができます。

 

遺言書には種類がある

遺言書は、その自筆証書遺言(および秘密証書遺言)と公正証書遺言の二種類に分けることができます。作成者や保管場所などそれぞれ特徴がありますが、法に定められた形式で記載することで効力を持たせる点は共通しています。

 

遺言書の記載内容は決められている

自由に思ったことを書き留めておけるエンディングノートとは異なり、遺言書には遺言事項を記載することになっています。遺言事項とは大まかに次の事柄を指します。

 

  1. 遺産分割方法の指定
  2. 相続分の指定
  3. 相続人の担保責任の定め
  4. 相続人の廃除または廃除の取り消し
  5. 特別受益の持ち戻しの免除
  6. 遺留分侵害額請求の負担方法の定め
  7. 遺贈
  8. 未成年後見人の指定
  9. 未成年後見監督人の指定
  10. 生命保険の保険金受取人の変更
  11. 信託の設定
  12. 認知
  13. 遺言執行者の指定
  14. 祭祀を主宰すべき者の指定

 

遺言書の内容は遺言者の死後に確認できる

遺言書の内容を確認できるのは、遺言者が亡くなった後に限られます。

 

必ず実現して欲しい内容は遺言書に記載する

エンディングノートは遺言書のような決まり事がないため、自由に書いていくことができ、本人が亡くなったかどうかに関わらず家族などが中身を確認することもできます。自由である一方、法的な拘束力を伴わないため、相続関連を中心に実現して欲しい遺言事項があれば、遺言書を作成しておく必要があるでしょう。

 

老後の生活支援や葬送支援なら身元保証サービスを利用する

老後の入院生活や施設での生活を想定したとき、どのような支援をして欲しいかエンディングノートに記載していたとしても、家族や関係者が必ず希望を叶えてくれるとは限りません。このような場合は、身元保証サービスを利用しておき、補足事項としてエンディングノートを活用するといいでしょう。

 

まとめ

終活を進める際にエンディングノートを活用すると、自分自身の大切なもの・ことを整理できるだけでなく、大切な家族に自分の死後のことを伝えることもできます。ただし、老後の生活支援や葬送支援、また相続関連事項についてサポートが欲しい場合や実現を希望する場合は、身元保証サービスや遺言書を利用することをお勧めします

 

当行政書士事務所は、身元保証サービスを提供する「いきいきライフ協会札幌」の法律支援を行っていますので、エンディングノートや遺言書、老後の生活支援や葬送支援についてご不明な点がありましたら、ぜひ無料相談をご利用ください。

 

 

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